介護日誌  U (お母さんの天気予報)

10月x日

 今日も男は、山へキノコを採りに行く、今年は後半に雨が多いので、今になって、キノコが
生えていると言う情報があったからだ、20センチもある一本シメジが4本取れた、
上機嫌で、女房に話したが、さっぱり乗ってこない

10月××日

 保育園のサツマイモ掘り体験だ、女房へ、手伝って、やはり気乗りしない返事
足が痛いのかとかとか、いろいろ聞いたがやっと
  もう3日も眠れないんだよ
心配になり、あれこれ二人で思い当たる事を考えたが、悩むような事は見当たらない
考えられる事を思い出した、もしかして、足が痛いと病院へ通っていた、まだ完全に
直らないのに、又病院を変えたりその事で葉書が来たそれには同じ病名で医者を
替えないでくださいとか言う葉書だった。
女房に葉書を見せて、こう言う事はしちゃあいけないんだって・・・と少し強く言った
頭がさえていて眠れないといってから4日目、男は、午前1時頃布団に入る、隣で寝ている
女房の寝息に耳をそばだてる     どうも寝ているように見えるが・・・・

11月×日

 女房に男が聞いた、夕べはよくねられたかい?
  ただ、目をつむるっているだけだよ、頭が重いと
 少し心配になり、素人考えで、眠り薬を飲めば直るだろう、眠り薬をくれる病院は
精神科しかない、そう思い込んだ男は、それなら、すぐに行って診てもらおう、善は急げ
早速女房に話してた、 FM病院へ行く、ところが・・・・・
 病院はすいていたすぐに、診てもらえるものと思って入っていくと
受付の女がこの病院は予約制です、あと10日先になりますが、冷たい言葉が体裁よく
女の口から吐き出された
 男はあせった、電話帳で何処でもいいから、藁をもすがる思いで探し続けた
かける病院かける病院がみんな予約制で診られません
女房は黙ってダイヤルの手元を見ていた
 ようやくMS病院が午後2時から診てくれると言う返事だった、時間が待ち遠しかった
MS病院の前へ行くと、 女房についていくからと言うと、 いいよ一人で、
そして、睡眠薬と精神安定剤を調合してもらった
 次の日眠れたか、と聞くと1時間くらい眠れた・・・・・と

11月××日

 このごろ人を避け、余り話をしなくなった、当たり前の会話はするが笑うような事はない
夕ご飯を食べ終えると、いつもそのまま横になり、眠る女房がぜんぜん眠たくない・・・・と
ただ、頭が重い
このごろ、ほんの少しのたわいない言葉に神経を研ぎ澄まして言葉を選んでいる、
ご飯も食べたくないといい、やせ細っている目で真剣に答えを探しあぐねている女房
 O型でどんな事にも動じない女房、話の中へいつの間にか入り込み ワッハハハ・・・
と笑いこける、煮物が上手で、毎食食卓に並ぶが・・・・・
 普段なら、テレビをつけて、お勝手で食事の支度をするのにこのごろテレビもつけない
煮物も出てこない、ありきたりの買ったものが、ちゃぶ台に並んでいる
 一人でいると黙ってコタツに座っている、好きなテレビも自分から回す事はなくなった
黙ってコタツに入っている、カラオケも歌わないと忘れちゃうよ
フラダンスも復習しないと忘れちゃうよ
そうだね、そうだねを繰り返す女房、まだ前と変わらないのはオナラがでるとか
さびしそうに笑った
一体どうすれば前のお前に戻るんだい?  涙があふれてきた      続く

曇り

曇り

曇り

曇り

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